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元安川で採集のれんが 原爆ドームで使用? 広島大院生が可能性確認

 広島の被爆瓦を海外の大学に贈る活動を続ける、広島大大学院生の嘉陽礼文(かよう・れぶん)さん(34)=広島市西区=が28日、原爆ドーム(中区)の敷地内で、被爆時に地面に落下し、保存されているれんがを調べた。近くの元安川で集めたれんがが、ドームに使用されていたものか確かめるのが狙い。川で集めたれんがと刻印が似ていたため今後、被爆建物の専門家に問い合わせるなどして確認する。

 市の許可を得て敷地に入り、刻印があるれんがを19個見つけた。刻印は、松葉囲いの菱(ひし)(12個)▽数本の斜線で組んだ菱(2個)▽十字(5個)―の3種類。このうち、松葉囲いの菱、斜線で組んだ菱の2種類が、嘉陽さんが元安川で集めたれんがの刻印と似ていた。内側に数字や平仮名も読み取れた。

 嘉陽さんは「元安川のれんがは、原爆の爆風で飛ばされたか、復興作業の際に投げ込まれたのではないか」と推測する。

 原爆ドームは1915(大正4)年に広島県物産陳列館として建設。後に県産業奨励館となった。市などの調査で、れんがは複数社の製品が使われたことが分かっている。

 嘉陽さんは沖縄県浦添市出身。沖縄戦を生き抜いた祖母の影響を受け、平和関係の勉強をしようと広島大に入学。現在は大学院医歯薬保健学研究科で解剖学を学ぶ。元安川のれんがは、2009年から海外の大学に贈っている被爆瓦と一緒に集めた。

 広島県物産陳列館を設計した建築家ヤン・レツルの母国チェコの博物館にもれんがの比較写真を送る予定。嘉陽さんは「ヒロシマの記憶を伝えていきたい」と話している。(下久保聖司)

(2013年1月29日朝刊掲載)

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