×

ニュース

原爆手記「星は見ている」朗読会 米在住の俳優曽我さん 広島で31日・来月1日

 三次市甲奴町出身で米国ニューヨーク在住の俳優、曽我潤心さん(36)が31日と9月1日、広島市中区で原爆手記の朗読会「星は見ている」を開く。原爆で犠牲になった旧制広島一中(現国泰寺高)生徒の父母たちが残した同名の手記集から、2編を読み上げる。

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(中区)で開催中の同手記集の企画展を、一時帰国した曽我さんが見たのがきっかけ。まず7月上旬にニューヨークの劇場で演じ、現地の日本人ら約100人を集めた。

 朗読会では遺族2人の手記を取り上げる。似島に運ばれ、昏睡(こんすい)状態だった長男のうわ言を次々と書き留めた堀輝人さん。被爆前夜、星空を見ながら「どうして戦争なんか起こるのでしょうか」と口にしたわが子の記憶をつづる藤野としえさん…。

 曽我さんはハワイに生まれて甲奴町の寺で育ち、日本大芸術学部を出て2011年渡米。俳優・演出家・脚本家として活動する。原爆をテーマとする作品は、演劇を始めた頃からの目標だったという。9月は東京の3会場でも開く。「『星は見ている』を基に英語のオリジナル脚本を書き、上演したい」としている。

 31日午後7時から旧日銀広島支店、1日午後1時から追悼平和祈念館。無料、申し込み不要。問い合わせはメールwest0403@gmail.com

(2018年8月20日朝刊掲載)

年別アーカイブ