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市立50校 初の一斉訓練 島根原発事故を想定 島根県松江

 島根県松江市は28日、中国電力島根原子力発電所(同市鹿島町)での事故を想定し、市立の小中高校50校で情報連絡と屋内退避の訓練を実施した。市内全域の市立校を対象にした一斉訓練は初めて。

 児童・生徒、教職員計約1万6千人が参加した。訓練は、島根原発2号機が送電線のトラブルで冷却機能を喪失したと想定。市教委が午後1時20分ごろ、防災行政無線やファクスで屋内退避指示を各校に連絡した。

 島根原発の南東13キロの湖東中(同市山代町)では、無線の連絡を受け、校内放送で出席生徒435人に教室へ入るよう指示。教室の窓とカーテンを閉め、校内のトイレなどの換気扇も止めた。

 同校は屋内退避指示が解除されるまでの約35分間、担任教諭が内部被曝(ひばく)を避けるための注意点を指導した。上代裕一校長は「万一の事故に備え生徒と教職員の意識をもっと高めたい」と話した。

 市はこれまで原発10キロ圏内の小中学校で、毎年数校ずつ順番に同様の訓練をしていた。昨年、国の原子力災害対策重点区域が原発30キロ圏に拡大され、全市域が入るため一斉に実施した。(川上裕)

(2013年1月29日朝刊掲載)

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