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竹島調査研究費盛る 艦載機岩国移転 米軍住宅など造成費

 政府は2013年度予算案に、日韓両国が領有権を主張する島根県の竹島(韓国名・独島(トクト))をめぐる問題で、国際社会に日本の主張の正当性を訴えるための有識者による調査・研究費を初めて盛り込んだ。

 北方領土、尖閣諸島も含め、新たに計上した領土保全対策費5億5千万円の一部。調査・研究はこれまで政府主体だったが、問題の解決には客観的な立場の第三者による学術研究が不可欠と判断。国内外の大学やシンクタンクが取り組む研究を支援する。シンポジウムや学会を通じた発信も促す。

 国際司法裁判所への提訴も有効な手段とみて、国際法の専門家に領有権に関する日本の主張を練り直してもらう。領土問題をテーマとした世界中の判例も収集する。

 外務省などは「韓国大統領の上陸以降、問題解決を願う世論が高まっているのに応えた」とする。ホームページやパンフレットを通じた政府広報費に2億円をあてる。

 一方、日米両政府が当初計画から3年遅れとなる17年までの完了を目指す米海兵隊岩国基地(岩国市)への空母艦載機移転事業に12年度比18・6%増の360億7200万円を計上した。契約ベースでの事業費は653億7600万円と、12年度比74・3%の大幅増となった。

 基地内に設ける学校や立体駐車場などの整備、海兵隊と厚木基地から移転する海軍部隊との合同司令部庁舎の設計費を計上。愛宕山地域開発事業跡地への米軍住宅や運動施設の建設に向け、25億3100万円(契約ベース)の土地造成費も新たに盛り込んだ。(樋口浩二、山田英和)

(2013年1月30日朝刊掲載)

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