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低空飛行連絡会が活動休止 広島県北住民 高齢化で継続困難

 三次、庄原市など広島県北部の住民たちでつくる「米軍の低空飛行の即時中止を求める県北連絡会」が28日夜、三次市内で会議を開き、活動休止を決めた。メンバーの高齢化などで継続的な活動が困難になったため。

 連絡会は1997年に結成。一時は同県山県郡などを含む県北部の18町村や住民たちが加入していた。平成の大合併で自治体は全て新市町に移行し、現在の加入自治体はゼロ。近年は、現地での聞き取りを基に国や米軍に低空飛行の中止要請をする、本来の活動もできない状態だった。

 連絡会の藤原清隆会長(80)=三次市君田町=たちは昨年夏、三次、庄原両市長を訪ね、こうした事情を伝達。会の担ってきた監視活動を自治体で引き継ぐよう依頼していた。

 元君田村長の藤原会長は「県も低空飛行中止に向けて本気で取り組むようになり、会の活動成果はあった。今後は関係自治体が連携し、監視や要請活動を続けてほしい」と話している。(桜井邦彦)

三次市など監視継続へ 支所・学校通じ情報収集

 三次、庄原市などの住民でつくる「米軍の低空飛行の即時中止を求める県北連絡会」が近く、活動を休止する。1997年の結成から16年。低空飛行の現場での聞き取りに基づいて国や米軍に中止要請を続けてきたが、高齢化などで困難になった。三次市などは活動の意義を踏まえ、監視活動を引き継ぐ考えだ。(桜井邦彦)

 「現地調査で住民生活への影響を調べられない状態。このままでは無責任になる」。連絡会の岡本幸信事務局次長(47)=岡山市中区=は休止の理由を説明する。

 2011年12月に三次市作木町であった作木小上空などの「超低空」飛行の際、独自調査ができず、継続への限界を感じたという。

 三次、庄原市などを通り中国山地を縦断する低空飛行ルート「ブラウン」では近年、低空飛行訓練は減少傾向にある。11年度の目撃件数は三次36件、庄原5件。岡本事務局次長は「米軍の戦略に基づく訓練内容の変更だろうが、活動自体の成果もあった」とみる。

 連絡会の藤原清隆会長(80)=君田町=たちは休止を前に昨年夏、三次、庄原両市長に監視活動の引き継ぎを要請。三次市の増田和俊市長は「低空飛行はいつ活発になるか分からない。市が監視を継続し強めたい」とし、支所や小中学校などを通じた情報収集に力を入れている。

(2013年1月30日朝刊掲載)

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