×

ニュース

「核燃料の再処理凍結を」 国連軍縮会議で日本政府批判相次ぐ

 静岡市で開かれている国連軍縮会議は2日目の31日、福島第1原発事故を受け、原子力の平和利用などをテーマに議論を続けた。政権交代に伴い、核燃料サイクル政策を維持する姿勢を打ち出す日本政府に対し、各国の専門家から「原子力政策の方針が決まるまで使用済み核燃料の再処理を始めるべきではない」との批判が出た。

 米モントレー国際問題研究所のマイルス・ポンパー上席研究員が、使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の稼働を決めた日本政府の動きを問題視。「日本は核兵器を製造できる量のプルトニウムを持っている」と指摘した。

 会場からも賛同の声が上がった。原発事故後、国内の大半の原発は停止中。核兵器への転用が可能なプルトニウムを使い道が決まっていないまま抱える日本への国際的な懸念の高まりを示した。

 また核軍縮の手法をめぐり、スイス外務省のベンノ・ラグナー氏が核兵器の非人道性を前面に核保有国へ放棄を迫る意義をあらためて強調。一方、天野万利・軍縮会議政府代表部大使は行き詰まっているカットオフ条約交渉の促進を支持する考えを示した。

 2015年のNPT再検討会議に向けた課題なども話し合った。軍縮会議は31日で実質的な討議を終了。最終日の1日は各国の大学生による軍縮研究の発表などがある。(田中美千子)

(2013年2月1日朝刊掲載)

年別アーカイブ