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21ヵ国を船旅 広島原爆証言 「非核特使」の女性、1日出港

 広島への原爆投下で被爆した女性2人が、9月1日から非政府組織(NGO)ピースボート(東京)の船旅に参加し、世界各地で体験を語る。出港を前に30日、外務省から非核特使の委嘱を受けた。

 東京都杉並区の塚本美知子さん(83)と広島市中区の空民子さん(76)。この日そろって同省を訪れ、軍備管理軍縮課の今西靖治課長から委嘱状を受け取った。一緒に参加して平和を訴える兵庫県宝塚市の大学院生安藤真子さん(23)=広島市東区出身=も同席し、ユース非核特使の委嘱を受けた。

 塚本さんは、原爆投下目標だった広島市中区の相生橋にいて熱線を浴びた父親を亡くし、自らも救護被爆した。「母も被爆し、がんで苦しんだ。両親の分まで原爆の恐ろしさを伝えるのが私の使命です」と力を込めた。

 爆心地から1・4キロの南区の自宅で被爆した空さんも「平和の尊さを精いっぱい訴える。核兵器禁止条約の締結を求める署名も集めたい」と語った。

 船旅は12月17日まで、欧米やアジアなど21カ国を巡る。(田中美千子)

(2018年8月31日朝刊掲載)

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