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早期に核禁止条約実現を 広島市長、外相に要請

 広島市の松井一実市長は1日、岸田文雄外相(広島1区)に外務省内で会い、被爆国として核兵器禁止条約の早期実現を主導するよう要請した。外相は、現実的な軍縮努力を積み重ねる政府の立場を説明するにとどめた。

 松井市長は長崎市の徳満伸一郎東京事務所長とともに訪問。平和市長会議の国内加盟都市会議が1月18日に採択した安倍晋三首相宛ての要請書を手渡した。

 要請書は核兵器の非合法化を目指す各国との連携や条約の交渉開始を求める内容。松井市長は「核兵器のない世界を目指す国際的な機運を醸成するため、しっかり対応してほしい」と求めた。

 ただ、外務省は多くの核兵器保有国が賛成していない点などから現時点での条約交渉には否定的な立場。非公開での意見交換後、松井市長は記者団に「外相は、核のない世界へ条約が一つの重要な手段という認識は持っておられる。どう展開するかは現実の対応の中で知恵を出す、との説明だった」と述べた。(岡田浩平)

(2013年2月2日朝刊掲載)

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