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被爆証言を高校生が映像化 広島市内4校 「核の恐ろしさ伝えたい」

 広島市内の四つの高校の放送部が、被爆証言の映像化に取り組んでいる。2日は、4校の部員が平和記念公園(中区)でそれぞれ被爆者にインタビュー。若者に託す平和への思いをビデオカメラに収めた。(増田咲子)

 基町高(中区)放送部の4人は、爆心地から約2・3キロの動員先の工場で被爆した梶本淑子さん(82)=西区=を原爆資料館東館の会議室で取材。放射線による健康被害や被爆後の苦しみ、若者に伝えたいことを質問した。

 梶本さんは、被爆1年半後に父が病死し、病弱な母や3人の弟を養うため苦労した―などと説明。「戦争で幸せになる者は一人もいない。生きている限りあの惨状を伝え続けたい」と語り掛けた。

 原爆慰霊碑前で黙とうする様子なども撮影した。副部長の2年阿部詩織さん(17)=東広島市=は「被爆体験を直接聴くのは初めてで、原爆被害を自分のこととして捉えられるようになった。核兵器がいかに恐ろしいか、多くの人に伝えたい」と話していた。

 被爆者の取材は、平和について若い世代に考えてもらおうと、広島安佐ロータリークラブが高校側に呼び掛けて実現。この日は、国泰寺(中区)井口(西区)五日市(佐伯区)の3高校も参加した。映像は、各校が5~10分程度に編集。それを基に4月ごろ1本のDVDにまとめ、全国のロータリークラブや中学・高校に配る。

(2013年2月3日朝刊掲載)

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