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米原爆展  TV会議で被爆証言 広島市、初の試み

■記者 森田裕美

 広島市が展開する全米原爆展の会場と被爆地をインターネットを活用したテレビ会議システムで結び、米国に向けて被爆者が証言する初の試みが24日あった。新年度から本格的に導入し、核兵器廃絶の思いを伝える。

 この日は原爆展開催中のインディアナ州インディアナポリスの大学の要請に応じた。爆心地から約1キロの自宅で被爆した寺本貴司さん(74)=廿日市市=が参加。原爆資料館東館(中区)と現地を結び、広島平和文化センターのスティーブン・リーパー理事長の通訳で画面に映る学生たちに被爆の惨状を語り、質問にも答えた。

 全米原爆展は一昨年9月にスタート。48州と首都ワシントンを含む113都市で既に開催し、広島の被爆者10人と在米被爆者5人が会場で体験を語った。寺本さんも昨年、米国に派遣された。

 新年度は25都市で予定する。被爆者の高齢化もあって派遣要請に応えられない場合にこのシステムを活用する。寺本さんは「米国を訪れた時と同じように伝えることができる」と手応えを感じていた。

(2009年2月25日朝刊掲載)

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