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カナダ寄贈の木 どこ? 平和記念公園 石碑にカナダカエデ→実はタイワンフウ

広島市 説明板設置へ

 平和記念公園(広島市中区)にある、カナダ政府から贈られたカナダカエデ(サトウカエデ)について記した石碑そばの樹木が、よく似た「タイワンフウ」であることが分かった。樹木を管理する市が、市民の指摘を受けて調査し、確認した。誤解を招かないよう、近く説明板を設置する。(増田咲子)

 石碑と樹木は、原爆資料館東館の北側にある。石碑は裏に「このカナダカエデはカナダ政府からおくられたものである 昭和38年5月」と記されている。

 「別の木ではないか」との指摘が市民から寄せられ、市職員と市植物公園の技師が1日、現地を訪れて調べた。樹木の実は、カナダカエデのようなプロペラ状ではなく、タイワンフウの実の特徴であるイガグリ状だった。葉の形もカエデとは異なっており、この樹木はカナダカエデではなく、タイワンフウだと確認した。

 市緑政課によると、1963(昭和38)年にカナダ政府から、カナダカエデの寄贈を受けたとの記録はあるが、公園内のどこに植えたかは記録が残っていない。ただ、石碑を移動させることはあまりないため、その付近に植えたとみられる。カエデが日本の風土に合わず、枯れた可能性が高いという。

 石碑のそばにタイワンフウが植えられた経緯や時期は不明だが、どこかから寄贈を受けて、まいた種が育ったのではないかという。

 平和学習のため、公園内で生徒を引率していた、廿日市中(廿日市市)教諭の横沢寿哉さん(28)は「学習のために生徒が訪れる場所。正しく伝えてほしい」と話していた。

 市緑政課は、現在の石碑は寄贈の記念として残す方針。ただ、タイワンフウだと分かるような説明板を取り付ける予定だ。

(2013年2月4日朝刊掲載)

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