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「原爆の図」惨状を今に 広島で丸木夫妻の展示開幕

 被爆の惨状を世に訴えた連作「原爆の図」にあらためて光を当てる「丸木位里・俊―≪原爆の図≫をよむ」展が8日、広島市南区の市現代美術館で始まった。同館と中国新聞社の主催で、11月25日まで。

 安佐北区出身の日本画家丸木位里と、妻の洋画家俊が共同制作したシリーズ。全15部のうち第5部までの「幽霊」「火」「水」「虹」「少年少女」を公開する。最初の3部作については原版と、紛失を恐れた夫妻らが描いた再制作版を並列展示。再制作版は原版と同様、占領下で報道が規制されていた1950年代初めから全国各地を巡回し、原爆の惨禍を伝えた。

 夫妻がそれぞれ単独で制作した作品も並び、シリーズに結実していく画風の変化をたどれる。関連資料も合わせた約100点の展示。新たな知見も多く、来場者の関心を引いている。(上杉智己)

(2018年9月9日朝刊掲載)

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