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民間被爆樹木に補助 広島市検討 回復処置で保全へ

 広島市は25日、市内で民間が所有している被爆樹木の樹勢を回復する費用の補助制度の創設を検討する考えを示した。厚生労働省が2019年度、新たに計上する方針の関連補助費の活用を見込む。被爆樹木の衰えが目立つ中、回復処置を促して保全につなげる。

 この日、市議会本会議で政氏昭夫・市民局長が「被爆樹木の樹勢回復には費用が掛かり、保存継承のためには、民間所有者への財政支援が必要。今後、補助制度の創設について、国と調整しながら前向きに検討したい」と述べた。

 厚労省は19年度予算の概算要求に広島市3本、長崎市1本分を見込んだ被爆樹木の樹勢回復への補助計120万円を計上している。市は市所有の樹木については順次、土壌改良などを進めており、国の補助が決まれば民間の保全に生かしたい考えだ。

 市のリストに登録された被爆樹木は爆心地から約2キロ以内に161本あり、うち58本が寺社などの民間所有。市が16年度に実施した樹勢調査では、約4割が生育状態に何らかの問題があると診断された。(水川恭輔)

(2018年9月26日朝刊掲載)

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