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後援依頼受けた広島市こども図書館 演題に難色 変更求める

市民グループ「表現の自由阻害」

 広島市こども図書館が、市民グループからの講演会の後援依頼に対し、演題の「平和ボッパツのお祭りさ!」を問題視し、変更を求めていたことが分かった。市民グループはいったんは同意したが、「表現の自由を阻害される」として近く後援依頼を取り消す。

 講演会は詩人アーサー・ビナードさん(中区)が講師。同図書館が3月に開く世界の絵本展に合わせて翻訳家上野陽子さん(59)=中区=が代表を務める実行委員会が企画した。

 演題は、絵本展で展示するビナードさん訳の「キンコンカンせんそう」の一節。同図書館は、関東で9条の会が主催した講演会で同じ演題が使われたことから「憲法9条を守るべきかどうか市民の意見が分かれている。中立であるべき図書館が、特定の団体の考えを支持していると思われたらよくない」と判断し、難色を示した。

 話し合いの結果、演題を変えることになったが、その後、上野さんは「よく考えて、タイトルを元に戻し後援依頼を取り消すことにした」という。

 ビナードさんは2012年3月、さいたま市で予定していた講演会の演題「さいたさいたセシウムがさいた」に抗議が寄せられたため、主催者が講演を中止したことがある。(増田咲子)

(2013年2月9日朝刊掲載)

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