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沖縄県知事選 岩国の市民団体歓迎 知事「移転条件変わらず」 市長コメントせず

 沖縄県知事選で米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する玉城デニー氏が初当選して一夜明けた1日、岩国基地(岩国市)の機能強化に反対する市民団体から歓迎の声が上がった。空母艦載機の移転完了で基地周辺の騒音が悪化する中、活動への決意を新たにした。

 「沖縄県民の強い意志の表れ。米国におんぶに抱っこの安全保障に一石を投じた」。岩国市の「愛宕山を守る会」の岡村寛世話人代表(75)は安倍政権が支援した佐喜真淳氏と約8万票差をつけた選挙結果を喜ぶ。

 廿日市市の「岩国基地の拡張・強化に反対する広島県住民の会」の坂本千尋共同代表(65)は「艦載機の移転後、騒音の種類や米軍機の飛び方が変わった」と指摘。「辺野古に移設されれば沖縄の基地が増強される。関係の深い岩国基地の強化にもつながりかねない」として玉城氏の取り組みに期待した。

 一方、山口県と岩国市は普天間移設の見通しが立つことを艦載機の移転受け入れ条件としていた。玉城氏の当選で移設スケジュールに影響が出るのは必至だが、村岡嗣政知事は1日、報道陣の取材に「(受け入れ当時の判断が)選挙結果で変わるものでない」と強調。政府と新知事との協議を見守る考えを示した。岩国市長はコメントなどを出さなかった。(松本恭治、佐藤正明、森戸新士)

(2018年10月2日朝刊掲載)

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