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金子賞に葉佐井さん 元広島六大学野球連盟理事長 ハワイ側と交流に貢献

 日米の草の根交流に長年、貢献した人をたたえる今年の「金子堅太郎賞」(日米協会主催)の受賞者に広島大名誉教授で、元広島六大学野球連盟理事長の葉佐井博巳さん(87)=広島市佐伯区=が選ばれた。

 葉佐井さんは、核物理学者として被爆建物に残る放射能の測定データ収集などによる研究を続ける傍ら、1986年、広島六大学野球連盟理事に就任。広島からの移民が多いハワイと広島の大学生による親善野球大会の開催に尽力した。

 87年に広島で開かれた同大会は、翌年から相互訪問による年1回の定例行事に発展。試合の合間には、それぞれの地での戦争の惨禍を学ぶ場も設け、日米大学生の相互理解に貢献してきたことが評価された。

 自らも被爆体験がある葉佐井さんは「相手のプレーを学び、自己を高め合うスポーツ交流は平和を考える上でも意味がある。これまで運営を支えてくれた多くの方への賞と思っている」と話している。

 同賞は日米協会創立100周年の昨年、初代会長で法相などを務めた金子堅太郎の名を冠して設けられた。毎年、両国からそれぞれ1人を選び表彰している。表彰式は23日に東京の国際文化会館である。(伊東雅之)

(2018年10月3日朝刊掲載)

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