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脱北者10人 核問題学ぶ 広島訪問 市立大で教員と交流

 北朝鮮から亡命し、今は韓国で暮らす脱北者10人が4日、広島市を訪れた。安佐南区の広島市立大では、広島平和研究所の孫賢鎮(ソン・ヒョンジン)准教授ら教員と交流した。

 ソウルを拠点に、北朝鮮の人権問題の解決を訴える団体「北朝鮮民主化青年学生フォーラム」が広島訪問を企画した。参加したのは若い世代が中心で、教員側から広島への原爆投下や放射線の人体影響、朝鮮半島の南北統一に向けた課題などの説明を受けた。

 20年前に脱北して現在、ソウルの大学で学ぶ金秀雅(キム・スハ)さん(33)は「核問題は初めて学んだ。核兵器による被害が大きく、長く続くことに驚いた」と感想を語った。

 北朝鮮の強制収容所の元警備兵で、1994年に脱北したという安明哲(アン・ミョンチョル)さん(49)も一行に参加。「核実験場の建設には多くの政治犯が動員された。北朝鮮の核開発と人権問題は密接だ」と話していた。

 5日には原爆資料館(中区)などを訪れる。(桑島美帆)

(2018年10月5日朝刊掲載)

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