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核廃絶実現へ 意欲新た 高校生平和大使・被団協 ノーベル賞ならず

 今年初めてノーベル平和賞の候補となった高校生平和大使のメンバーたちは5日、広島市東区のホテルで発表を見守った。受賞はなかったが、核兵器廃絶を目指す活動への意欲を新たにした。日本被団協も選ばれず、被爆者たちは廃絶の実現に向け気を引き締めた。

 本年度の高校生平和大使3人や元大使たち計10人が集まり、インターネット中継に見入った。受賞がないと分かると、沼田高2年久保田音美さん(16)=安佐南区=は「ノミネートだけでもうれしかった」と笑顔を見せた。ノートルダム清心高2年下久保理子さん(16)=西区=は「改めて廃絶への力になりたいと決意するきっかけになった」。福山暁の星女子高2年開原弓喜さん(16)=福山市=は「結果にかかわらず、先輩たちが築いた活動を絶やさず頑張りたい」と意気込んだ。

 広島県被団協(坪井直理事長)の中区の事務所で発表を待った箕牧(みまき)智之副理事長(76)は今年の受賞者を祝福。「戦争になると、女性や子どもが一番犠牲になる。受賞が、性暴力などの人権問題の解決につながるのを広島から願っている」と力を込めた。

 日本被団協の田中熙巳(てるみ)代表委員(86)は東京都港区の事務所で報道陣に「昨年、核兵器禁止条約ができ、特別な受賞があったばかりだから」と落ち着いた表情。「核兵器をゼロにするため、締約国を着実に増やしていく」と話した。(明知隼二、水川恭輔、田中美千子)

(2018年10月6日朝刊掲載)

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