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ヒロシマ賞にジャーさん NY在住

 広島市は5日、美術を通じて平和に貢献した作家に贈る「ヒロシマ賞」の第11回受賞者にチリ出身の芸術家、アルフレド・ジャーさん(62)=米ニューヨーク在住=を選んだと発表した。ヒロシマや東日本大震災に関わる写真、映像の作品を通じて社会的な問題を伝えてきた点を評価した。

 ジャーさんはチリ・サンティアゴ生まれ。1995年に市現代美術館(南区)で開かれた被爆50年の記念展には、8月6日に広島で撮影されたとうろう流しの写真を使った作品を出品。原爆詩人栗原貞子の代表作「生ましめんかな」の文字を、東日本大震災で被災した学校の黒板に浮かび上がらせた作品でも知られる。

 ジャーさんは市を通じて「この暗い時代に『ヒロシマの心』が今まで以上に必要。栗原貞子が崇高な詩で示唆したように私は『生ましめる』努力をしていく」とコメントを寄せた。

 市は89年に同賞を創設。美術関係者らによる選考を経て3年に1度授与している。市などは、2020年夏から秋に市現代美術館で受賞記念展を開く。(水川恭輔)

(2018年10月6日朝刊掲載)

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