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原発避難者の帰郷支援へ講演会 放射線影響や復興状況紹介 中区NPO

 広島市中区のNPO法人ピースビルダーズは、福島第1原発事故で広島県内に避難している人の帰郷を手助けする無料講演会を、市内で開いている。今後、県や市が住宅を無償貸与する期間(3年間)が終わるのに伴い、古里での生活再建を考える人が増えるとみて企画した。(教蓮孝匡)

 毎回、講師を招いて古里でのいまの暮らしぶり、放射線の影響の現状、復興の進み具合などを紹介する。参加者は帰郷の判断や準備に役立てる。

 初回は1月25日、西区民文化センターであった。避難者たち約20人が参加。福島大の西崎伸子准教授(42)が、福島県内で取り組まれている子ども向けの「保養」を説明した。

 同県内の保育所と幼稚園の大半は、被曝(ひばく)を避けるため、子どもが屋外で遊ぶ時間を制限している。保養は、市民グループなどが定期的に子どもを県外に連れ出し、外遊びをさせているという。

 県や広島市は、公営住宅と民間賃貸住宅を避難者に3年間、無償提供している。避難者の一部は早ければ来年3月から家賃を負担しなければならない。

 自身も福島市から西区に避難しているピースビルダーズ職員の菅野佐知子さん(40)は「今後の人生を一緒に考える講座にしたい」と話している。広島県によると、県内の福島県からの避難者は318人(4日現在)に上る。

 講演会は全4回。次回以降の講師と会場は次の通り。2月15日午後1時、福島県郡山市のNPO法人放射線衛生学研究所の木村真三代表理事(西区民文化センター)▽3月11日午後2時半、福島県教委高校教育課の竹田真二主幹(中区の市まちづくり市民交流プラザ)▽同20日午後2時、復興庁の西田紫郎参事官補佐(西区民文化センター)。ピースビルダーズTel082(247)0645。

(2013年2月10日朝刊掲載)

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