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北朝鮮核実験 届かぬ祈り 怒る被爆地 続く暴挙 一斉反発

 北朝鮮が3度目の核実験を強行した12日、被爆地・広島に怒りが刻まれた。「被爆者の声がなぜ届かないのか」。国際社会が自制を求め続ける中で繰り返された暴挙。核兵器廃絶への祈りは踏みにじられ、緊迫化する朝鮮半島情勢に、ヒロシマは危機感を強めた。(田中美千子)

 「核実験はどんな理由があろうと許されない」。広島県被団協の坪井直理事長(87)=広島市西区=は憤った。「国際的な協議の場もあるのに北朝鮮はいつまで背を向けるのか」

 核爆弾の小型化を目指したとみられる今回の核実験。北朝鮮は昨年12月、米国本土を射程にうかがう事実上の長距離弾道ミサイルの発射に成功した。

 もう一つの県被団協(金子一士理事長)の吉岡幸雄副理事長(83)=南区=は「核廃絶を目指す世界的な動きに逆らう行為。核を持ちたい他国への影響は大きい」と懸念する。

 「核実験はいけない。悲しい」。県朝鮮人被爆者協議会の李実根(リシルグン)会長(83)=西区=は嘆いた。長年、日本政府の援護の手が届かない北朝鮮に住む被爆者を支援してきた。「北朝鮮の核開発は米国の脅威への不安の表れでもある。米日韓は、その恐怖心を取り除く姿勢もほしい」と願った。

(2013年2月13日朝刊掲載)

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