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北朝鮮核実験 なぜ強行/政府は経済制裁を 中国地方市民の声

 北朝鮮が12日に強行した核実験について、中国地方の街頭で市民の受け止めを聞いた。

 「核兵器の恐ろしさが分かっていない。被爆者として腹立たしい」。原爆資料館(中区)でボランティアガイドを務める安佐南区の岡本忠さん(68)は語気を強めた。

 ビル側面にある電光ニュースが、速報を伝えた八丁堀交差点(中区)。南区の大学生小野里紗さん(21)は「日本政府は、情報収集を急いでほしい」と注文した。JR呉駅前では、呉市のパート従業員内野真弓さん(34)が「何を求めて強行するのか、理由が分からない」。

 金正恩(キムジョンウン)第1書記の体制になって初の核実験。福山市の介護支援専門員岩本保子さん(63)は「金正日(キムジョンイル)時代と何も変わっていない」。周南市の団体職員国兼裕司さん(28)にも「こうしたやり方は、近隣諸国の不信感を強めるだけだ」と映る。

 「日本政府は、毅然(きぜん)とした態度で臨んでほしい」と浜田市の会社員田中秀和さん(37)。尾道市の会社員横山真二さん(48)も「被爆国として国際社会の先頭に立ち、抗議や経済制裁をすべきだ」と訴えた。

 一方、岩国市で雑貨喫茶店を営む辻川純子さん(45)は「周辺国との緊張度を増すのが恐ろしい」と危ぶむ。

 被爆者で安佐南区の畠山裕子さん(74)は「どの国の核実験も絶対に許せない。北朝鮮を責めるばかりではなく、他の核保有国も核兵器廃絶に真剣に取り組むべきだ」と力を込めた。

(2013年2月13日朝刊掲載)

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