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被爆の実態 ネット講座 広島県12月開始 全5回、無料

 広島県は23日、被爆の実態や核を巡る国際動向などについてパソコンやスマートフォンで学べる全5回の無料講座で、受講生の募集を始めた。講師を務める東京大大学院の藤原帰一教授(62)=国際政治学=が被爆者たちと対談した映像を見る方式で、初回は12月20日に公開する。「核廃絶のメッセージを次の世代へつなげたい」と、若い世代を中心に参加を呼び掛ける。

 初回のテーマは「広島 廃虚からのスタート」。藤原教授が、県被団協理事長の坪井直さん(93)と被爆米兵の調査を続ける森重昭さん(81)の被爆者2人と対談している。坪井さんは、自身が被爆した爆心地から約1・2キロ地点の様子を「生きとるやら、死んどるやら」などの表現で伝える。

 2、3回目では米国の研究者たち3人と意見交換する。第五福竜丸事件(1954年)を契機に広がった原水爆禁止運動や、米国のオバマ前大統領が「核兵器のない世界」構想を打ち出したプラハ演説(2009年)など、核を取り巻く世界情勢の変遷をたどる。

 4、5回目の公開は19年4月以降となる。全ての回で藤原教授が、原爆資料館(広島市中区)などを舞台に講義をする様子も盛り込む。映像は各回とも45分程度。回ごとに10問程度のクイズを用意し、回答者は電子版の修了証を得られる。

 希望者は専用サイトを通じて、民間の通信会社が運営するオンライン学習システムに会員登録する。県は「特に大学生たち若い人に参加してほしい」と呼び掛ける。県平和推進プロジェクト・チーム☎082(513)2366=平日のみ。(木原由維)

(2018年10月24日朝刊掲載)

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