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級友も助言 禎子さん描く 三次の八次中 28日文化祭で平和劇

「戦争を考える演技に」

 三次市畠敷町の八次中3年生は、28日の同中文化祭で平和をテーマにした劇を披露する。被爆10年後に白血病で亡くなった佐々木禎子さんのクラスメートで、被爆者の川野登美子さん(76)=広島市中区=が禎子さんとの思い出などをつづった本「原爆の子の像 六年竹組の仲間たち」を基にした作品。生徒は、川野さんから直接、当時の様子を聞くなどアドバイスを受け、稽古を重ねている。(高橋穂)

 約50分の劇の題名は「つなぐ~サダコたちの祈り~」。幟町小の竹組で禎子さんと一緒だった仲間が、ゴム跳びや運動会のリレーを楽しんだ生活、発病に対する葛藤、禎子さんをモデルにした「原爆の子の像」の建立に向けて奮闘した活動を演じ、平和の尊さを訴える内容になっている。

 八次中では毎年、3年間の平和学習の集大成として3年生が文化祭で劇を披露する。共に被爆2世の西田弘栄教諭(59)と市元剛教諭(48)が「改めてヒロシマに向き合おう」と台本を作り、約40人が9月末から毎日練習に励んでいる。

 今月18日には、同中を訪れた川野さんに、劇の練習を見てもらった。生徒は、禎子さんの人柄や思い出を聞いたり、「『伝える』という気持ちを大切に、言葉の一つ一つに自分なりの感情を込めて」などのアドバイスを受けたりした。

 川野さんは「生徒が劇を通して平和の重みを真剣に考えてくれていて感激した。本番が楽しみ」と話した。禎子さん役の半角優奈さん(14)は「川野さんの話から当時の状況がよく分かった。見る人が平和や戦争を自分のこととして考えられるような演技をしたい」と意気込む。劇の上演は午前11時20分から。

(2018年10月27日朝刊掲載)

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