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広島大本部跡地 旧理学部棟 無償取得を表明 公園との一体化想定

 広島市などが進める中区の広島大本部跡地(11・4ヘクタール)の再開発で市は13日、跡地内の被爆建物、旧理学部1号館とその敷地を、所有者の独立行政法人国立大学財務・経営センター(千葉市)から無償で取得する方針を正式に表明した。1号館の保存・活用方針を決めるための調査を2013年度に実施。将来は隣接する市東千田公園と一体化して開放する考えも明らかにした。(加納亜弥)

 東千田公園は3・0ヘクタール。東に隣接するセンター所有の1号館と敷地0・6ヘクタールについて、市は3月末までに無償で譲り受ける方向で調整している。

 市は13年度、老朽化した1号館の劣化状況を調査。その後、保存・活用方針を検討する。具体的な保存・活用策の決定を踏まえ、1号館と敷地を東千田公園に組み込む想定でいる。

 センターは現在、1号館の敷地を柵で囲い人の立ち入りを禁止している。敷地では07年、土壌汚染対策法の基準値を超える鉛や水銀など有害物質が検出された。市は公園として開放する際、盛り土や芝生を植えるなどして現在の表土の飛散を抑えるとしている。

 広島大本部跡地をめぐって市とセンターは10年3月、東千田公園の一部と、1号館を含むセンター所有地(4・4ヘクタール)の一部を交換する計画で合意。民間事業者に売却する土地の形状を整える予定だった。

 だが、売却の見通しが立たないことや地元住民の反対で交換は頓挫。再開発のネックとなっている1号館を市が引き取ることで打開を図る。

(2013年2月14日朝刊掲載)

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