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候補地周辺で調査開始 地上イージス 萩で防衛省

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の山口県への配備計画で、防衛省は29日、候補地の陸上自衛隊むつみ演習場(萩市)周辺での現地調査を始めた。ボーリング前に周辺の地下水への影響をみる。

 この日は演習場そばの萩市むつみ地区の水源地2カ所で実施。うち市の浄水場では業者が地下水を採取し検査用のボトルに詰め替えた。民家の井戸水も調べるため、地区内の44世帯に案内文を配る。

 国は隣接する阿武町でも調査する方針だが、現時点で時期や対象世帯は未定。反対する花田憲彦町長は協力しない方針を示している。地下水調査は約1カ月を予定し、その後に演習場内でボーリングを始め、住民向け現地説明会も開く。

 このほか来年2月には電磁波の影響をみる電波環境の現地調査も開始。本年度末までに全体の調査結果をまとめる。中国四国防衛局は「適地かどうかを判断するために必要な調査。住民にも協力をお願いしたい」としている。(和多正憲)

「丁寧に対応」 官房長官

 菅義偉官房長官は29日の記者会見で、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備候補地である山口、秋田両県で防衛省が同日から現地調査を始めたことを受け、「配備に当たっては地元住民の理解が大前提となる。さまざまな懸念に一つ一つ丁寧に対応していきたい」と述べた。

 現地調査は、陸上自衛隊むつみ演習場(萩市)と新屋演習場(秋田市)で地質などを確認する。菅氏は「必要な調査をできる限り早期に実施し、地元住民からの指摘に一つ一つ対処していきたい」とした。

(2018年10月30日朝刊掲載)

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