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北朝鮮核実験 各地で抗議の座り込み 広島や山口 慰霊碑前では横断幕

 北朝鮮が3度目の核実験を強行して一夜明けた13日、被爆地・広島では二つの広島県被団協が広島市中区の原爆慰霊碑前で隣り合って抗議の座り込みをした。広島、山口両県では座り込みが相次ぎ、核兵器廃絶の願いを踏みにじる暴挙と強く非難した。

 正午すぎ、広島県被団協(坪井直理事長)は連合広島、県原水禁などと一緒に座り込んだ。約80人が約30分間、横断幕を掲げ抗議した。被爆者で県原水禁の片山春子代表委員(82)は「子や孫に平和な社会を残すことは私たちの責任だ」と訴えた。

 もう一つの県被団協(金子一士理事長)は県原水協と座り込み。計約60人が参加し、北朝鮮に核開発の放棄を、核保有国と日本政府に核兵器禁止条約の実現への努力を迫る決議文を採択した。

 三次市の住民グループ「三良坂平和を願う会」の13人は地元の三良坂平和公園で約10分間座り込み、抗議の意思を示した。

 山口県では岩国、下松、山口の3市で座り込みがあった。岩国市では、労働組合でつくる岩国地区平和運動フォーラムの的場敏議長が「福島第1原発事故が収束していない中、北朝鮮の行動は大変遺憾だ」と批判した。

 下松市役所前での座り込みに参加した同市原爆被害者の会の野坂清子さん(84)は「被爆体験は一生忘れられない。核兵器はいらない」と声を振り絞った。

被団協が声明 広島の市民団体も

 北朝鮮による3度目の核実験を受け、日本被団協と広島市の市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」は13日、それぞれ抗議声明を発表した。

 日本被団協は東京都内で開いた代表理事会で決めた。声明で北朝鮮の核実験強行を「核兵器のない平和な世界を求める世論に敵対する所業」と非難。自国の防衛のための核保有を「倒錯した考え」として捨て去るよう求めた。日本をはじめ周辺国には理性的な対応を望んだ。

 核兵器廃絶をめざすヒロシマの会は、声明で「核兵器は地球上のあらゆる生き物の存続を脅かす」と北朝鮮に核実験の停止と保有する核兵器の廃棄を要求。「韓国と沖縄県に米軍を常駐させ、北朝鮮を核開発に追い込んだ」として日米韓の外交政策を批判した。

(2013年2月14日朝刊掲載)

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