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放射線の知識 絵本で学んで 広島国際大・熊谷教授が出版

 広島国際大(東広島市)保健医療学部の熊谷孝三教授(放射線治療技術学)が、放射線や放射能について分かりやすく伝える絵本「ほうしゃのうが降ってきたの」(A4判変型、32ページ)を出版した。

 熊谷教授は東京電力福島第1原発事故の発生後、テレビのコメンテーターやインタビューを受ける母親たちの発言を聞き、放射線や放射能に対する理解が不十分だと痛感した。

 特に避難者や子どもたちが受けた「放射能が伝染する」「遊ばない」などの心ない発言は、子どもや親の認識不足や誤った情報が原因と考え、正しく理解してもらおうと絵本の出版を思い立った。

 内容は原発事故のあった地域に住む5歳の女児が、母に問い掛ける形式。「放射能はどうやって防ぐの」「食べ物は大丈夫なの」など、素朴な疑問に母が答えていく。

 熊谷教授は「放射能や放射線はがん治療も可能な半面、被害も及ぼす。絵本で考えるきっかけになってくれれば」と期待している。

 ピラールプレス刊、800円。同社Tel03(5348)8967。(小笠喜徳)

(2013年2月17日朝刊掲載)

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