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想像力引き出す授業を 平和教育テーマに討論 広島

 平和教育の在り方を探るパネルディスカッション「これからの平和教育~未来を創るための提言」(平和教育地球キャンペーン中四国支部主催)が、広島市中区の原爆資料館で開かれた。

 パネリストは、東海学園大の浅川和也教授、広島大大学院の布川弘教授、詩人のアーサー・ビナードさん、広島平和文化センターのスティーブン・リーパー理事長の4人。それぞれがテーマに沿って発言した後、会場からの質問に答えた。

 「これまでの平和教育の問題点は」との問いに、ビナードさんは「被爆体験を聴く、という題材はすごい。これを生かすには、『戦争はよくない』という着地点を決めずにやれば、つまらなくならない」と指摘。浅川教授は「ロールプレーや参加型の授業で、生徒が演じる場をつくりたい」と述べた。

 「原爆や平和に無関心な人が多いのをどうすればいいか」との質問に、布川教授は「今の学校のように評価・競争するのでなく、互いを尊敬する社会環境が必要だ。子どもの豊かなイマジネーションを大人が引き出すべきだ」と強調。リーパー理事長は「米国では『チャーター・スクール』という公立でありながら、自分でカリキュラムを決められる学校がある。私の息子がつくった学校は、先生1人に生徒6人。日本でも、自分の学校をつくって」と提案した。

 討論会には、教育関係者や大学・高校生ら約80人が参加した。(二井理江)

(2013年2月18日朝刊掲載)

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