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故中沢さんの思い世界へ 英語字幕版ドキュメンタリー完成 米映画祭でも上映

 昨年12月に73歳で亡くなった漫画家中沢啓治さんのドキュメンタリー映画「はだしのゲンが見たヒロシマ」の英語字幕版DVDが完成し、発売された。今年が、中沢さんの代表作「はだしのゲン」の連載開始40周年になるため、「世界の人に見てもらい、平和について考えるきっかけにしてほしい」と作業を進めていた。

 英語字幕版は、日本語版を2011年4月につくった企画・制作会社トモコーポレーション(広島市中区)と映画配給会社シグロ(東京)が共同で制作した。中沢さんのインタビューで構成。生い立ちや被爆体験、平和への思いを証言でつづり、ゲンの原画も盛り込んでいる。77分。

 14日に全国で発売。3月上旬に米国で開かれる「ニューヨーク平和映画祭」で、初の海外上映も決まった。

 トモコーポレーション社長の渡部久仁子さん(32)=安佐南区=は「戦争や原爆への怒りをあらわにし、亡くなる直前まで、伝え続けてくれた中沢さんの思いに応え、一人一人の気持ちに訴えたい。漫画のゲンを読んでもらうきっかけになれば」と話している。

 学校教材用に被爆体験の証言を中心にまとめた中沢さんのインタビュー「はだしのゲンが伝えたいこと」(32分)の英語字幕版も一緒に収録している。一般用4500円、ライブラリー用(図書館や学校)2万円。トモコーポレーションTel082(502)0428。メールtomo@tomo―corp.com(増田咲子)

(2013年2月18日朝刊掲載)

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