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平和公園上に爆弾 動画 来日の大リーグ投手 投稿を謝罪

 日米野球に出場している米大リーグ(MLB)オールスターチームのヘクター・ベラスケス投手(29)=レッドソックス=が、自身の写真共有アプリのインスタグラムに平和記念公園(広島市中区)の風景に爆弾などのイラストを添えた動画を投稿していたことが13日、分かった。同日、ベラスケス投手はマツダスタジアム(南区)での試合前に緊急の記者会見を開き不適切な行為だったとして謝罪した。  動画は同公園を写し、原爆ドーム付近や上空などに「Atomic bomb(原子爆弾)!」の文字と爆弾を思わせるイラストを挿入している。

 メキシコ出身のベラスケス投手は「国にいる知り合いや友人に広島で起こったことを写真、ビデオを通じて伝えようと思った」と釈明。その上で「日本の皆さまだけでなく、全ての方々に申し訳ないことをした。ここで起こったことは本当に悲しいこと。伝え方を間違った」と陳謝した。

 MLBオールスターチームは12日に前田健太投手やMLBバイスプレジデント・アジアパシフィックのジム・スモール氏ら4人が同公園を訪れ、原爆慰霊碑に献花していた。この日、主催者を代表してスモール氏は「亡くなった方々への哀悼の意を表したが、それとは全く異なることをしてしまった。心からおわび申し上げたい」と述べた。

 広島県被団協(坪井直理事長)の箕牧智之副理事長(76)は「MLBの選手たちが慰霊碑に献花する姿に、被爆者の願いは伝わっていると思っていたのに残念だ。広島と長崎の悲劇は、まだ理解してもらえないのか」と無念さをにじませた。

(2018年11月14日朝刊掲載)

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