×

ニュース

原発事故苦悩 人形劇で訴え 三原で福島の農家

 東日本大震災の体験を基にした人形劇が21日、三原市木原の古民家レストラン「きはら楽観堂」であった。福島県田村市の有機農家大河原多津子さん(64)が上演。福島第1原発事故後の住民の苦しみや、原発のリスクを訴えた。

 劇はシイタケを栽培する大河原さんの友人夫婦がモデル。大河原さんは手作りの人形を操りながら、風評被害でシイタケが売れず原木を捨てざるを得なかった苦悩などを情感たっぷりに演じた。

 上演後は自身の体験も話した。生産した野菜が売れなくなり県外への避難も考えたといい、原発事故の影響の大きさを力説した。

 同店と高坂町の有機農園「坂本農場」が主催し、約40人が参加した。近くの清田豊さん(68)は「生の体験談は説得力がある。東北の被災地と向き合うきっかけになった」。大河原さんは「暮らしが突然脅かされた悲惨さを伝えたい。原発は全国にあり、身近なことと考えてほしい」と話していた。(政綱宜規)

(2018年11月23日朝刊掲載)

年別アーカイブ