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FA18墜落 山口知事は飛行停止求めず 県議会で批判相次ぐ

 米軍岩国基地(岩国市)所属の戦闘機が沖縄沖で墜落した事故で、山口県の村岡嗣政知事が米軍に同型機の飛行停止を求めなかったことを巡り、5日の県議会一般質問で野党県議たちから批判が相次いだ。隣県の広島県知事が事故翌日に飛行停止を求めただけに、当事者の自治体として厳しく対応するよう求めた。

 空母艦載機FA18スーパーホーネット戦闘攻撃機1機が11月12日、那覇市沖の海上に墜落。広島県の湯崎英彦知事は翌日の記者会見で原因究明まで同型機の飛行を停止するよう求めた。日本政府や岩国基地にも飛行停止の要請書を送った。

 一方、山口県が基地に再発防止徹底などを文書で申し入れたのは2日後。村岡知事は政府要望の上京で岩屋毅防衛相に安全対策の徹底を米に働き掛けるよう求めたが、いずれも飛行停止に踏み込んでいない。

 一般質問では無所属と共産党の県議が言及。うち1人は村岡知事が国防問題で常々「県民の安全のため言うべきは言う」としていることを挙げ「まさに該当するのでは」と批判。知事は答弁せず、基地担当の藤田昭弘総務部理事が「米が自主的に飛行停止を判断すべきだ」と述べた。(門脇正樹)

飛行停止の要請 広島県に求める 共産県委

 米軍岩国基地所属の空母艦載機FA18スーパーホーネット戦闘攻撃機1機が那覇市沖で墜落した事故で、共産党広島県委員会は5日、県に対して、原因や安全対策で十分な説明があるまでの同型機の飛行停止を日米両政府に改めて求めるよう要請した。

 湯崎英彦知事宛ての要請書では、湯崎知事が11月19日、日米両政府に同型機の飛行停止を求めた点を「県民の声に向き合っている」とした。その上で、艦載機が11月下旬に岩国基地へ帰還したのを踏まえて「廿日市市などで爆音がとどろいている。もし艦載機なら、県の要請に背く」と主張。飛行停止を改めて要請し、説明がないままで同型機の飛行を確認した場合は抗議をするよう促した。

(2018年12月6日朝刊掲載)

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