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8・6式典 デモ拡声器の声「うるさいですか」 広島市3000人調査

「新たな条例規制」も問う

 広島市は6日、8月6日の平和記念式典の際、会場の平和記念公園(中区)周辺で例年、デモ行進による拡声器の声が響いていることについて、市民が「うるさい」と感じているかどうかを尋ねるアンケートを始める。市は対策を尋ねる質問の選択肢に、新たな条例による規制も入れた。デモを規制する場合、憲法が保障する「表現の自由」との兼ね合いが必要になるため、議論を呼びそうだ。

 無作為抽出した18歳以上の市民3千人に郵送で送る。市はアンケートの中で、デモ行進の拡声器の声について「被爆者や遺族の心情を害するだけでなく、原爆死没者の霊を慰め、恒久平和の実現を祈念する式典の目的を損なう」などと考え方を説明している。

 その上で、式典に出席したり、テレビなどで見たりしたことがある人を対象に、式典中に拡声器の声を聞いて「うるさいと感じた」「感じなかった」のどちらだったかを尋ねる。

 対策は、条例を定めた規制▽従来通り、デモをする各団体に音量を下げるように要請することにとどめる▽その他―のいずれかを選んでもらう。注釈で、条例での規制の場合は「表現の自由の保障との調整を十分に行う」と説明している。

 市は主催団体に対し、会場付近でのデモや大音量を控えるよう事前に要請している。アンケートは来年1月末までに集め、結果は3月までに公表する見通し。市民活動推進課の市岡泰三課長は「条例による規制を前提としているわけではない。市民の多くが何を望んでいるのかを尋ねたい」とする。(永山啓一)

(2018年12月6日朝刊掲載)

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