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内部被曝 ヒロシマの警鐘 医師の証言DVDに 東京のNPO

 核の悲惨さを伝える映像制作に取り組むNPO法人「世界の子供に伝える会」(東京・銀座)が、内部被曝(ひばく)の危険性に警鐘を鳴らすDVD「広島からのメッセージ」を作った。被爆者医療の経験豊かな医師4人のインタビューを収録。広島市では、3月17日午後1時半から原爆資料館(中区)で上映する。

 インタビューは一昨年から昨年にかけて実施した。元軍医の肥田舜太郎さんは、治療経験から、広島原爆投下直後に救援で広島に入った兵士が内部被曝していた可能性を指摘。広島原爆被爆者援護事業団の鎌田七男理事長は、東京電力福島第1原発事故の被災者らに、放射線による健康影響も想定し、避難時の状況を詳しく記録しておくよう助言する。

 広島共立病院の丸屋博名誉院長と青木克明前院長も登場。原爆を乗り越えた広島の経験を踏まえ、原発事故の被害者らに希望を持って健康に暮らすようにとの思いを込める。75分、3990円。

 同会は、戦前からの映像発掘に関心を持つ制作会社の元ディレクターらで3年前に発足し、会員は約100人。DVDを会費や寄付で作り、学校図書館に寄付する活動を目指している。

 鈴木誠一理事長(57)は「原発事故の被害者が悲しみを封じ込めるのでなく、正しく向き合う助けになれば」と話す。広島では、原爆文学を研究する広島花幻忌の会の行事で上映する。ss@mstv.jp=鈴木理事長(岡田浩平)

(2013年2月25日朝刊掲載)

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