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放射線の怖さ ビキニに学ぶ 東京

 太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁での米国の水爆実験による放射線被害を問い直すシンポジウム「死の灰は消えない」が24日、東京都内であった。第五福竜丸乗組員だった大石又七さん(79)も参加し、福島第1原発事故を踏まえて「放射線被害を過小評価してはいけない」と訴えた。

 市民グループ「市民と科学者の内部被曝(ひばく)問題研究会」が企画。約100人が参加した。大石さんは原発事故後の政府の対応に触れて「ビキニと同様に、国は放射線の怖さを隠そうとする」と批判。「今も続く問題としてビキニを考えてほしい」と述べた。

 高知県太平洋核実験被災支援センターの山下正寿事務局長は基調講演で、第五福竜丸以外にも、県内の被災船員の多くががんなどで早世したとする独自の調査を紹介。「科学者はビキニを再検証すべきだ」と指摘した。

 続く討論では、広島市立大広島平和研究所の高橋博子講師が「核被害では国の情報隠しが繰り返されている。問題意識を共有しよう」と呼び掛けた。(山本洋子)

(2013年2月25日朝刊掲載)

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