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旧天神町筋の舗装確認か 平和公園 広島市1次試掘終了

 平和記念公園(広島市中区)の地下に残る旧中島地区の遺構公開に向けた市の第1次試掘調査で、被爆前に民家や商店が立ち並んでいた「旧天神町筋」の舗装の一部とみられるアスファルトなどが確認されたことが12日、分かった。市は同日、第1次調査を終了し、報道陣に現場を公開。調査結果を精査し、専門家や被爆者でつくる市の懇談会で来年3月にも報告する。

 市は4日、展示に適した遺構の有無や状態を調べるため、原爆資料館東館北側で調査を始めた。市によると、幅約0・5メートル、長さ約20メートルのL字形に掘り進め、深さ約60センチで被爆時とみられる地層を確認した。

 市によると、被爆前の街並みを調べる手掛かりとなる、天神町筋の遺構とみられるアスファルトと側溝を確認。ほかに、木材が焼けた跡に残る炭化材や、石の構造物などが見つかり、今後、市は米軍の原爆投下によって全壊全焼した家屋などとの関係を調べるとみられる。

 市は本年度内に同じ資料館東館北側の別の場所での第2次調査を検討。調査結果を懇談会で報告し、旧中島地区の在りし日の営みと、それを奪った核兵器の非人道性を伝えるのに適した展示エリアかどうかなどの議論を詰める。市は2020年度中の遺構公開を目指している。(水川恭輔)

(2018年12月13日朝刊掲載)

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