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銀幕に被爆ピアノの旋律 広島の調律師モデル 東京で製作発表

 被爆したピアノを修復してコンサート活動を続ける被爆2世の調律師矢川光則さん(66)=広島市安佐南区=をモデルにした映画「おかあさんの被爆ピアノ」の製作発表会が17日、東京都内であった。主演の俳優佐野史郎さん(63)やアイドルグループAKB48の武藤十夢(とむ)さん(24)たちが撮影への意気込みを語った。

 物語は、被爆ピアノを修理して各地でコンサートを開く被爆2世の調律師と、コンサートをきっかけに祖母の広島での被爆の記憶をたどる東京暮らしの若いヒロインの交流を描く。五藤利弘監督(50)が脚本も手掛け、調律師役を佐野さん、ヒロイン役を武藤さんが演じる。2019年6月ごろ撮影を開始し、被爆75年を迎える20年に公開を予定する。

 五藤監督は矢川さんの活動を09年にテレビのドキュメンタリー番組で紹介しており、映画化について「被爆の歴史を知らない若者も多い。今の若者の心をどう動かすかを考えて物語を作った」と説明。佐野さんは、かつて長崎の被爆を題材にした映画に出演した経験を振り返り、「自分なりの世界をつくりたい」と意欲を見せた。

 発表会に出席した矢川さんは「音楽を通じて若者に平和を考えてもらう映画。完成が楽しみ」と期待していた。(桑原正敏)

(2018年12月18日朝刊掲載)

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