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上関埋め立て免許延長申請 判断、当面棚上げ 審査に1年程度か

 山口県の山本繁太郎知事は26日までに、中国電力の上関原発(上関町)建設計画をめぐる公有水面埋め立て免許の延長許可申請について、判断を当面棚上げする方針を固めた。原発の新増設を含む国のエネルギー政策が流動的なのが理由とみられ、審査に1年程度かける構え。免許は失効しない。

 山本知事は、3月4日の県議会定例会の代表質問で議員の質問を受け、明らかにする見通し。山本知事はこれまで繰り返して「不許可」を明言しており、原発反対派の反発を招きそうだ。

 県は免許の期限切れ直前の昨年10月上旬、中電から3年延長の申請を受けて以降、4度の補足説明を中電に要請。指定期間内に工事を完了できなかった理由などを繰り返し尋ねてきた。今月25日に中電から4度目の照会の回答が届き、審査を再開したが、26日には県の内規で定める事務処理の標準処理期間の満了日を迎えていた。

 山本知事はこの日、県議会本会議後の取材に「事柄の性格によっては内規を順守できない。公有水面埋立法をきちんと適用する方が大事だ」と述べ、32日以内をめどとする期限内の判断にこだわらない考えを示した。

 山本知事は昨年7月の知事選で「脱原発依存は当たり前」と主張し、埋め立て免許延長に関して「現状では認められない」とした二井関成前知事の方針を引き継ぐ考えを表明。知事就任後の10月、中電から延長申請を受けた際も「不許可処分をすることになる」と明言していた。

 しかし、昨年末に発足した安倍政権は民主党政権が掲げた「2030年代に原発稼働ゼロ」を見直す方針を明示。これを受け、当面判断を見送り、国の動向を見極めることにしたとみられる。(金刺大五、門戸隆彦)

(2013年2月27日朝刊掲載)

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