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原爆資料館本館 4月25日再オープン

 広島市は20日、展示をリニューアル中の原爆資料館本館(中区)について、2019年4月25日に再オープンすると正式に発表した。松井一実市長は「来館者が被爆の実相を肌で感じられるような施設に」と、新たな展示への期待感を示した。

 再オープン後の本館は「被爆の実相」を伝えるスペースと位置付ける。米国による原爆投下の犠牲となった動員学徒の衣類、爆風で曲がった鉄骨、被害状況を捉えた写真などのほか、焼け焦げた三輪車や弁当箱などの遺品を、遺影や遺族の手記と共に展示する。

 松井市長は、この日の記者会見で「当初予定より時間がかかったが、ようやく(改修が)完了し喜ばしい。『この思いを誰にもさせてはならない』との被爆者の願いを受け止めてもらえるようにしたい」と述べた。リニューアルに合わせ、東館1階の情報コーナーでは、核兵器禁止条約の各国の批准状況など、同条約関連の展示を充実させる考えも示した。

 本館は、東館が展示更新を終えて再開した17年4月に閉館。当初は18年春の再オープン予定だったが、過去の施工部分に不良箇所が見つかるなどし、19年春に延期していた。耐震化工事は、被爆75年となる20年の平和記念式典に間に合うよう進める。再オープン前日の19年4月24日は、準備のため午後2時に閉館する。(明知隼二)

(2018年12月21日朝刊掲載)

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