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復興にエール 紙芝居で交流 広島の市民団体 福島の短大生へ披露

 福島県の民話を紙芝居にしている広島市の市民団体「ボランデポひろしま」は26日、同県郡山市の郡山女子大短期大学部1年生19人との交流会を広島市中区の広島国際会議場で開いた。福島第1原発事故の被災者の避難生活を描いた紙芝居を上演し、復興へのエールを送った。(井上龍太郎)

 ボランデポからはメンバー3人が参加。原発事故で福島県浪江町から避難し、昨年6月に84歳で病死した佐々木ヤス子さんの手記を基にした紙芝居「見えない雲の下で」を披露した。避難所を転々とし、放射能におびえる様子を描いた約30分の物語。語り手の阿部頼繁さん(59)=府中町=は福島弁も使い、情感豊かに読んだ。

 熱演に涙をぬぐう学生の姿も。山寺菜奈さん(19)は「福島もやり直せる。勇気をもらった」と感謝。ボランデポの福本英伸事務局長(56)は「力を出し合い、福島を元気にしよう」と呼び掛けた。

 ボランデポは、広島市の市民団体「まち物語制作委員会」とともに、被災地の復興支援の一環として福島の紙芝居を作っている。昨年12月には福島県いわき市で、被災者から聞き取るなどした民話や逸話の紙芝居を上演した。

 この活動を知った同大が、中四国地方を巡る研修旅行中の学生との交流会を依頼。学生はこの日、中区の原爆資料館や原爆ドームも訪問した。

(2013年2月27日朝刊掲載)

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