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阿武町長、重ねて反対 地上イージス配備 防衛副大臣と山口知事ら会談

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の陸上自衛隊むつみ演習場(萩市)への配備計画を巡り、山口県の村岡嗣政知事と地元首長が25日、県庁で原田憲治防衛副大臣と会談した。阿武町の花田憲彦町長は「町の存亡に関わる」と重ねて反対を伝えた。

 会談には村岡知事と藤道健二萩市長、花田町長らが出席。内閣改造で10月に就任した原田副大臣は、事前に演習場を視察し、配備先決定への現地調査に触れて「地元の理解を得ることは大前提。懸念や不安を払拭(ふっしょく)できるよう具体的で分かりやすい説明に努めたい」と述べた。

 花田町長は、配備されれば移住者減少などまちづくりに影響するとして「町の取り組みを根底からひっくり返す。どうしても承服できない」と強調。「配備は断念していただきたい」と訴えた。

 一方、藤道市長は「国益にかなうなら、まちづくりに障害が生じる恐れがあるというだけで配備反対の立場は取らない。時間をかけ住民に寄り添った対応を」と要望。村岡知事は「調査状況や結果について分かりやすい説明を」と求めた。

 会談後、原田副大臣は「丁寧にしっかり説明をすれば、町長の懸念も払拭できるのではないかと思う」と話した。(和多正憲)

米海兵隊機墜落 再発防止求める 岩国市長

 岩国市の福田良彦市長は25日、市役所で原田憲治防衛副大臣と会談した。6日に米海兵隊機2機が高知県沖で接触、墜落するなど米軍岩国基地所属機の事故の続発を受け、実効性のある安全対策と再発防止の徹底を改めて求めた。

 福田市長は事故について「住民不安が非常に大きくなっており、大変遺憾」と強調。岩国基地への空母艦載機の移転完了を受けた騒音対策として、現在は住宅に限られる防音工事の対象に事務所や店舗を加えることも要望した。

 原田副大臣は「基地周辺住民が安心安全に暮らせる環境確保は極めて重要」とし、防音工事の対象拡大については「まずは住宅の騒音対策を着実に進め、さまざまな課題がある中でどう対応するか検討したい」と述べた。

(2018年12月26日朝刊掲載)

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