×

ニュース

豊かな瀬戸内海 学んで 市民団体が小冊子

 瀬戸内海の環境保護活動に取り組む市民団体「環瀬戸内海会議」が、瀬戸内海の移り変わりや豊かな環境をまとめた小冊子「瀬戸内海は今」を作った。地域の環境学習の教材や学校での副読本としての利用を呼び掛けている。

 A5判、42ページ。約2万年前までは陸地で、奈良時代以降は朝鮮半島や中国と交流する海路となった瀬戸内海の歴史をひもとく。高度成長期の埋め立てや工場排水、海砂採取による環境破壊を解説し、スナメリやカブトガニなどの希少生物が息づく豊かさを残す現状を伝える。

 広島県が昨年6月に鞆港埋め立て・架橋計画を撤回した福山市の鞆の浦など、景観保全の動きも紹介する。閉鎖水域の瀬戸内海に面した四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)で事故が起きた場合の被害の大きさを指摘。中国電力上関原発建設計画(山口県上関町)の経緯も説明している。

 環瀬戸内海会議幹事で島根県立大名誉教授の田嶋義介さん(69)=光市=たち5人が執筆した。田嶋さんは「瀬戸内海を分かりやすく学べるよう工夫した」と話す。

 500円。10冊以上を注文すると1冊450円で、送料無料となる。環瀬戸内海会議事務局にファクスか電子メールで申し込む。Tel086(243)2927=ファクス兼用。メールアドレスはnmatchan@ms8.megaegg.ne.jp(村田拓也)

(2013年2月28日朝刊掲載)

年別アーカイブ