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原爆と市女 手記の企画展 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館

 原爆で多くの生徒を失った市立第一高等女学校(市女、現舟入高)をテーマにした企画展「流燈」が1月1日、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)で始まる。娘を失った親の悲痛な手記や、生徒たちの遺影を展示する。

 市女1、2年生は1945年8月6日、現在の平和記念公園(中区)南側一帯の建物疎開作業に動員され、作業に出た生徒541人は全滅した。企画展では、生徒が疎開先の妹に宛てていた手紙の複製、遺族の追悼手記集「流燈」(57年)の初版本など資料5点を展示。生徒たちの遺影353点を並べた大型パネル8枚も置く。

 専用端末では、当時の宮川造六校長や、生徒たちの遺族による手記計28編を、日本語と英語、中国語、韓国・朝鮮語で読める。「『(戦死した)お兄ちゃんの処へ行きなさいよ』と言いますと、『ふうん』と言ったきり息を引き取りました」など、原爆に子どもを奪われた親の苦しみがつづられている。

 企画展は来年12月29日までの1年間。無料。(明知隼二)

(2018年12月30日朝刊掲載)

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