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核廃絶の願いアートに込め 広島の若手グループ オスロで作品展

 広島の若手芸術家グループ「プロジェクトナウ!」は2、3の両日、ノルウェーのオスロである核兵器の非人道性をテーマにした市民社会フォーラムで絵画作品展を開く。想像力のスイッチを入れ、核の問題を意識して―。作品にそんなメッセージを込める。(鈴中直美)

 20~30代のメンバー8人が「核兵器とわたし」をテーマとした油彩や水彩9点を出展。保井力さん(27)の「ドロッピングウオーター」は、無数の笑顔を覆うように黒い水が流れ落ちる。「目に見えない放射能で、人々の日常がいつの間にか崩れていく様子を表現した」と保井さん。

 そのほか、真っ赤な背景に無表情の自画像を描いた「炎の住む空」や植物を題材にした「芽吹く」は、核の恐怖や未来への希望を感じさせる。

 プロジェクトナウ!は2010年、広島平和文化センター(広島市中区)のスティーブン・リーパー理事長が発起人となって結成。翌年には核兵器禁止条約をテーマにアート本を出版し、年3、4回企画展を開く。

 現地を訪れるメンバーの掛田智子さん(31)は「広島で生まれ育った私自身の怒りや核廃絶の願いを表現した。アートを通じて各国の人々に自分のこととして考えてほしい」と話している。

 フォーラムは非政府組織(NGO)の核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN、本部・オーストラリア)の主催で、講演やワークショップ、討論を計画。直後の4、5日には、オスロでノルウェー政府主催の国際会議が開かれる。

(2013年3月1日朝刊掲載)

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