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「条例での規制有効」 8・6式典会場周辺のデモ拡声器 広島市長、考え示す

 広島市の松井一実市長は11日の記者会見で、8月6日の平和記念式典会場の平和記念公園(中区)周辺でデモ行進の拡声器の声が響いていることについて、対応策の一つとして条例による規制が有効との考えを示した。拡声器の使用を制限する既存の法律などを念頭に置いて検討するとし、憲法が保障する「表現の自由」を規制する意図はないとの見解も述べた。

 市は昨年12月、条例による規制も選択肢に対策の在り方を聴く市民アンケートを始めた。これに対し、デモの実施団体が「表現の自由を損なう」などと調査の中止を求める申し入れ書を市に出している。

 松井市長は「国内外からの参列者に静かな中で平和宣言を聞いてもらいたい」とし、特に平和宣言とこども代表の「平和への誓い」の際に静かさを保ちたいと強調。「式典前に静謐(せいひつ)確保をお願いしますと重ねて言っているが、十分思いが届いていない。具体的な手段の一つとして、条例は効果を上げられる」と述べた。

 一方で「(デモ行為で)意見を言うなというわけではない」と説明。国会議事堂などの周辺での拡声器の使用を規制する「静穏保持法」などの具体例を参考に、検討を進める考えを示した。(水川恭輔)

(2019年1月12日朝刊掲載)

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