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ビキニデーに核廃絶誓う 静岡・焼津で集会と墓前祭

 太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁での米国による水爆実験で静岡県焼津市のマグロ漁船、第五福竜丸が被曝(ひばく)してから59年となる1日、日本原水協は同市内でビキニデー集会を開いた。2015年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けた活動強化や、脱原発運動との連帯などを誓った。

 地元実行委員会などと共催し、約1700人が参加した。静岡県原水爆被害者の会の川本司郎会長は、昨年、30カ国以上が核使用の非合法化を各国に求める共同声明を発表したことを紹介。「核兵器全面禁止は世界の声。日本政府は先頭に立つべきだ」と訴えた。

 第五福竜丸の乗組員だった大石又七さん(79)は、福島第1原発事故に触れ「内部被曝の恐ろしさが注目されているが、既にビキニ事件で多くの漁民が被曝し、放置された」と批判。マーシャル諸島のケネス・ケディ上院議員は「核実験の『死の灰』が雪のように降り注ぎ、多くの島民が土地と健康と未来を奪われた」と証言した。

 米国や韓国、米領グアムの反核運動家も「核兵器廃絶へ手を携えよう」「日本の運動でNPTでのビジョンづくりを後押しして」などと訴えた。

 被曝して亡くなった無線長久保山愛吉さんの墓がある市内の弘徳院ではこの日、原水協や原水禁国民会議による墓前祭も相次ぎ営まれた。(山本洋子)

(2013年3月2日朝刊掲載)

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