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米軍にオスプレイ安全確保要求 本土訓練受け 「地元影響最小限に」

 米海兵隊岩国基地(岩国市)を拠点に6~8日に行われる垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの低空飛行訓練について、関係閣僚は1日の記者会見で、米軍に安全性の確保を求める考えを相次いで示した。

 日米両政府は昨年9月、低空訓練に関し、安全高度150メートル以上で飛行し、原発や人口密集地上空の飛行を回避することで合意している。

 岸田文雄外相は「日米合意を順守し、地元に与える影響を最小限にとどめるよう申し入れている。地元への配慮に万全を期すよう米軍に働き掛けたい」と述べた。

 小野寺五典防衛相は、飛行ルートに関する詳細な情報を米軍からまだ得ていないとし、「地元自治体に説明するため、引き続き米軍に情報提供を求める」と話した。

 中国地方の自治体などから懸念の声が高まっていることに、菅義偉官房長官は「地元のさまざまな声に真摯(しんし)に対応したい」と述べた。(城戸収、坂田茂、藤村潤平)

オスプレイ本土訓練 中止訴え抗議文や集会 岩国など「怒り・恐怖感高まる」

 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの本土低空飛行訓練が6日から岩国市の米海兵隊岩国基地を拠点に行われる問題で、岩国市や廿日市市の市民団体が1日、抗議文などを提出するなどし、訓練中止を訴えた。

 艦載機移転などに反対する岩国市の「住民投票を力にする会」は1日、日本での訓練撤回を求め、安倍晋三首相やルース駐日米大使宛てに抗議文を送付。「住民投票の成果を活かす岩国市民の会」なども同様の文書を出したほか、米軍住宅化に反対する「愛宕山を守る会」の天野一博事務局長(61)は岩国市内であった集会で訓練を厳しく批判した。

 山口県庁では、県労連や共産党県委員会でつくる「安保廃棄・岩国基地撤去県実行委員会」が山本繁太郎知事宛ての申入書を提出。藤永佳久代表が、オスプレイの訓練中止と部隊撤退を求めた。

 廿日市市の市民団体「岩国基地の拡張・強化に反対する広島県西部住民の会」も本土訓練中止を求める抗議文を日米両政府に送付。広島県内での訓練を懸念し「住民の怒りや恐怖感は高まっている」と批判した。

 低空飛行訓練を中国地方全体の問題としてとらえようとする動きも始まった。市民団体「ピースリンク広島・呉・岩国」は本土訓練が始まる6日までに、広島市内でオスプレイの危険性や訓練中止を訴える街頭演説をする方針。5月12日には三次市で、目撃情報、騒音実態などを中国地方で共有し、国や各県に訓練中止を求める「オスプレイの配備と米軍機低空飛行訓練を許さない市民ネットワーク」(仮称)の設立総会を開く。

 ピースリンク世話人の新田秀樹さん(49)は「沖縄は41市町村が連帯してオスプレイ配備に反対している。中国地方でも結束の動きを強める必要がある」と話している。

(2013年3月2日朝刊掲載)

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