×

ニュース

原爆資料館からドームへの景観 視野角18度を法制限 広島市方針

 広島市は21日、平和記念公園(中区)の原爆ドームと原爆慰霊碑を結ぶ南北軸線上の景観を保全する方針をまとめた「眺望景観のあり方」を示した。法的な建物の高さ制限など、昨年12月に市景観審議会から受けた答申を踏襲した内容。3月をめどに再び審議会に諮問し、具体的な法規制の枠組みを検討していく。

 原爆資料館本館の下から北を眺めた際の視野角約18度を範囲とし、ドームの背景に建物が何も見えない状態を目指すべき姿と設定。現在、市の要綱にドーム周辺の建物については高さ基準があるものの強制力はないため、法的な制限を設けるとした。

 市によると、この設定で高さ制限を計算すると、広島商工会議所南端で20メートル以下、中央公園自由・芝生広場南端で40メートル以下などになる。

 市は審議会に諮問し、景観法や都市計画法に基づく計画や条例などで、新たに建物を建設する際の法的制限の手法を検討。今より数メートル高い木を植えるなど、植栽による遮蔽(しゃへい)効果も踏まえた上で、具体的な制限をかける高さや範囲を決めていく。(江川裕介)

(2019年1月22日朝刊掲載)

年別アーカイブ