×

ニュース

ミャンマーの障害者支援 邑南の国際交流団体「瑞穂アジア塾」

 島根県邑南町の国際交流団体「瑞穂アジア塾」が、障害のあるミャンマー人の受け入れ、研修を支援している。現地で行政の支援がほとんどない障害者の自立を後押しする。受け入れ2人目のソー・ウインター・ローさん(33)が町内に民泊し、周辺の施設や高校で日本の福祉や技術を学んでいる。(黒田健太郎)

 ソー・ウインター・ローさんは1歳の時、ポリオの影響で左脚に障害が残った。同国の中心都市ヤンゴンで、障害者の自立へ人材育成に取り組み、1月下旬に来日。2月下旬には町内の矢上高を訪れ、生徒に教わりながら旋盤や溶接機を使った作業に挑んだ。21日まで滞在し、福祉施設の作業を体験したり、ミャンマーでの活動について発表したりする。滞在費約60万円はアジア塾が支援する。

 「日本では障害者がパンや豆腐作りで経済的に自立している。技術も含めて応用できる点をミャンマーに伝えたい」と意気込む。

 事業は2011年、アジア塾会員で当時別の国際協力非政府組織(NGO)理事としてミャンマーで活動していた束村康文副代表(52)=同町=が提案した。

 束村副代表は1995~2011年の計9年間、現地で職業訓練や井戸掘りなどを進める中で、政府の支援がなく家族に頼るしかない障害者の現状を知った。妻由里さん(48)が同町出身だったこともあり、アジア塾に受け入れと研修を打診。快諾を受けた。

 ソー・ウインター・ローさんの受け入れは、11年のユーヤ・トゥーさん(36)に続く。昨年10月、東京から同町にIターンした束村副代表は「研修を受け入れることで邑南町や周辺の人の自信にもつながる。現地の障害者が仕事を持てるようにしたい」としている。

(2013年3月2日朝刊掲載)

年別アーカイブ